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渡月橋 ~歴史を覗く橋~

京都の西郊に 渡月橋 はある。

Un…finished Kyoto

 

京都嵐山「 渡月橋 」

 

渡月橋 は美しい。嵐山の桜はなぜか美しい。橋と織りなす桜の美は1000年を経ても変わらない。なぜ千年もこの橋が残ったのだろう。なぜこの橋は人々を惹きつけてやまないのか。

 

 

序、ただの有名な橋

雪の中走る人と川にはシロサギがいる。

京都に引っ越してくる前に一度訪れたことがある。その時は嵐山もことも渡月橋の知識も一切なし。誰もが見た事のある京都の風景だった。関心はそれほどなくて、ただ有名だったから、一度は見てみたかった。でも見ただけで「京都に来たんだ」と思えた。それが初めて渡月橋を見た感想。今では車で10分ほど来れる場所になった。それ以来、何度も足を運んでいる。

  

この橋は幾度となく架け直され、1000年以上のこの場所で存続している。この橋は都市機能をほとんど担っていない。そんな橋が1000年以上なんらかの形で存在しているのは異常と言っていい。この橋は何かがおかしい。たまにはそういう疑問も悪くないと思う。その疑問と一緒に渡月橋を渡って見よう。渡ったその先に

   

新しい京都が見つかる。

     

一、北ルートと南ルート

   

渡月橋
晴天と雪化粧が同居する贅沢。

・北ルートはJR嵯峨野駅と嵐電の2社

渡月橋はJR嵯峨野駅からだと結構、歩く。たぶん20分くらい。途中、コロッケ屋さんがたくさんある。嵐電からなら歩いて5分くらい。どっちの道も北から渡月橋を目指す。ふたつの道は渡月橋の寸前で嵐山で一番混み合う交差点に突き当たる。南からは渡月橋を渡り終えた人たち。東からは市営駐車場から来る人たち。西からは嵐山を巡り終えた人たち。皆その交差点で、ごっちゃになる。

交差点には信号待ちの人垣ができて、人力車乗りませんか?のお誘いがあって、手前のお店にも気を取られて、雑踏の中で渡月橋の手前にいることも、よく分からない。信号が青になって、押し出された先はもう渡月橋の上。渡月橋を渡ってから、渡月橋に気づく。初めての場合、だいたいこうなる。

   

渡月橋
雪が降ると欄干に雪だるまが10個以上発生する

・南ルートは阪急電鉄のみ

阪急嵐山駅はいちばん南にある。広い空と桂川の川風を感じながら渡月橋を目指す。渡月橋を見つけられるまで5、6分。でも嵐山公園を通るからやっぱり10分。ここも途中でお店があって、つい寄ってしまう。 嵐山公園は「中の島」といって中洲を整備して公園にした場所。中洲へ渡る小さな橋を渡る。渡月橋じゃないよ。渡り終えたら空が開けて渡月橋が見える。

     

二、「法輪寺橋」

   

渡月橋
対岸の塔のが法輪寺のなんかの塔。

かつて渡月橋は「法輪橋」と呼ばれていた。その法輪寺は渡月橋の南畔にある。法輪寺の成り立ちは古い。古すぎて詳しいことは分からない。でも、空海の弟子道昌が再興したのは分かっている。この時、大井川(現桂川)に架橋している。この橋は「法輪寺橋」と呼ばれた。これが後の渡月橋の原型。「渡月橋」と呼ばれるのはこの後400年くらい経ってからの話。

位置自体そうは変わっていないけれど渡月橋は途中で名前も変わるし台風や大雨で何度も流された。そうしながら1200年近くもの間ずっとそこにあり続けている。この橋はなぜそんなにも人々に親しみを持たれ、そこにあり続けるのか。不思議な感覚になった。

     

三、ヒトヒトヒト

   

渡月橋
ヒトヒトヒト。

京都は今や一大観光都市だ。旅行にやってくる観光客数は年間でおよそ5200万人。その約15%が嵐山を訪れるそうだ。だから渡月橋にはいつもたくさんの人がいる。カップル。修学旅行生。家族連れ。着物姿の若者。いろんな国の人。みんな京都にきて渡月橋を観る。渡月橋は年中なにかやっていて綺麗な瞬間がたくさんある春は桜。夏は花火に鵜飼い。秋の紅葉。冬は雪化粧。貸しボート。保津川下り。朝霧。ライトアップ。

人々の笑顔。渡月橋にはいつも人がいる。人が少ないのは早朝と雨の日ぐらい。土日は8時半ぐらいから、ぼちぼち観光客。9時半にはどんどん観光客が入ってきて、10時には満員。渡月橋はただの「橋」に過ぎない。ただの「橋」なのになぜこれほど人が集まるのか?京都人も首をかしげる。

   

みんな楽しそう。

  

四、雨の日

   

そんな人気の嵐山でも早朝は人気が少ない。雨の日も人が少ない。でも、嵐山に霧がかかって綺麗だったりする。冬の日。雪が降ると渡月橋が雪化粧に染まる。そんな日は人が多い。カメラマンたちが集合する。渡月橋と嵐山と桂川。皆、その黄金比に魅入られる。なぜか知らないけど、しっくりくる。なぜかは分からないけど美しい。でも「ただの橋」。この橋はずいぶん得をしている。

    

渡月橋
霧のいい写真撮りたいんだが…。