祇王寺
常寂光寺
三千院
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あとがきホーム嵐山嵐山・嵯峨野洛西

その2: 天龍寺 のあとがき

天龍寺 いいお寺さんだよ。でも書くのつらかった。「天龍寺かー。よし!簡単そう!」これが間違いだねよ。うん。いつもこれで苦労する。できるだけ楽なのから手を付けたいワケなんだよ。パンフレット開いたら 夢窓疎石 という偉いお坊さんが載っている。

天龍寺

 

あとがき

 「天龍寺かー。よし!簡単そう!」これが間違いだねよ。うん。いつもこれで苦労する。できるだけ楽なのから手を付けたいワケなんだよ。

 よし!楽しよう。パンフレット開いたら 夢窓疎石 という偉いお坊さんが載っている。天龍寺の開山だとさ。京都五山第一位で。ふんふん。そんでこの人が 曹源池庭園 を作庭したという。へー。お坊さんが庭作り?と思ったが、とりあえず夢窓疎石×曹源池庭園=天龍寺という方程式が完成。「よっしゃ!夢窓疎石やー!」とめでたく調査開始。これが苦難の幕開け。

※観光向けの記事です。調べたのに載せられないし、もったいないとかの理由で書くなんてことは…、してません※

  

↓本記事はこちら↓

  

1.お役立ち情報行っとこー! 

   

天龍寺
小さく見えるけど実はデカい鬼瓦

 天龍寺は世界遺産。最寄り駅は京福電気鉄道嵐山本線。通称嵐電ね。この嵐山駅(雑誌とかによく載ってる)から歩いて5分。いや総門だったら、ほとんど目の前だね。だから僕の中では、

「嵐電から歩いて5分の世界遺産 天龍寺」

 という位置付け。語呂がいいよね。どこかで使ってもらいたい。ほんで言っとくけど僕のサイトは忖度がない。だから雑誌や旅行サイトみたいに庭園が綺麗なお寺20選!とかおススメのお庭があるお寺 ベスト30!など、「も~~~!いったいどこ行ったらええねん!」にはならないから安心して読んで下さい。

   

座敷に届く優しい日光の心地よさ。

 まず天龍寺の場所ね。嵐山にあります。嵐山は京都の思いっきり西の端にあるからスケジュール組むときは最低でも半日はみてね。天龍寺だけだと思ってると、嵐山は見る所たくさんあるから。だから天龍寺に行く=嵐山を観るってことで考えてください。

 そんで天龍寺は法堂の八方睨みの龍と曹源池庭園が有名。曹源池庭園は回遊式池泉庭園という形式のお庭。これは池や泉がある庭で、庭の中を観て回れるお庭のこと。この庭園形式は定番だから知っておくと便利。どこかのお寺に行って池があったら、庭だけで観て回るのに30分以上かかることがほぼ確定。プラス本堂だから1時間以上はかかるのよね。

  

天龍寺
かなり高い所まで登れる。京都を一望できるのは東も西も一緒。

 キョウト観光あるあるなんだけど天龍寺もご多分に漏れず、入り口で「本堂とお庭にしますか?それともお庭だけにしますか?」って聞かれる事がある。要はチケットが2種類あるのね。「はぅ??」あかん。知ってるていできてる。「なにが違うんですか?時間はどのくらい…」とは後ろの行列を考えると言いづらい。つい「本堂とお庭で!」ってなるよね。分かる。分かるよー。でも初めてならこれで正解!いいんです。でも1つ条件がある。それは天龍寺は本堂を参拝してから、お庭を観てください。

  

天龍寺

その理由は曹源池庭園の奥にある天龍寺北門にあります。実はこの天龍寺北門は竹林に抜ける近道なのです。天龍寺に来るという事は嵐山を観に来るのと同義!つまり、嵐山を観るという事は竹林の小径とそのさらに奥のトロッコ列車や、そのまた奥の嵯峨野観光も含むのです!

 そしてこの北門、お庭を巡った最後の最後に行き着く、もう本堂に引き返すの面倒くさ!ってタイミングで見つける御門になっております。まだ本堂観てない。でも竹林への近道。さあ、君はどうする!という選択の御門となっております。

  

天龍寺
いったいピントはどこだい?でも好きな一枚。

 しかも、天龍寺をいったん出てから「竹林の小径行こかー」となって行くと「あれ?さっきの門ちゃう?こっから出た方が近いかったんちゃうの?」ってなる観光客を後悔させる御門ともなっております。だから私はこの北門を「選択と後悔の門」と呼んでおります。天龍寺の方程式行って見よー。

天龍寺=(本堂+法堂)×曹源池庭園

=天龍寺北門×竹林の小径

=嵯峨野観光!

 言っとくけど自分、数学が苦手っていうレベルじゃないから。高校の時の数学の最高得点は28点だから…。と言うわけで天龍寺は本堂、法堂を観てから曹源池庭園を見て、北門から竹林の小径へ行くべし!

   

2.「君は歴史を知っているか」

 

天龍寺
滲みまくり。でもやっぱり好きな一枚。

 京都のお寺さん巡ってると「お庭云々~」とか「何々派の総本山で~」とかよく言うんだけど、そもそも何だいそれは?って思ったことないですか?疑問だねよ。でも旅行中に調べるわけにもいかないし、普通は放っておいちゃうの。なので今回は臨済宗天龍寺派大本山「 天龍寺 」に関してのみ気になる所をピックアップしました。

 軽く読んでもらえたら現地でふむふむ、そういう事か。って思ってもらったらいいね。でもね。また言っとくけどね。歴史の話ってモテへんから!僕のサイトではその辺も加味して細かいことは分からくても、心にはスッと落ちる。「あ。この人ほんまはよう知ってはんねんな。うちらにうまいこと合わしてくれてはるんやな」っていう好感度抜群の説明を心掛けています。

  

天龍寺
立派な回廊があるのは、やっぱり京都のお寺ならでは。

 でも前知識は必要なんだよね。まず登場人物を紹介すると「夢窓疎石」「後醍醐天皇」「足利尊氏」この3人だけです。時代は鎌倉時代末期から室町時代初期まで。後醍醐天皇は建武の新政した天皇で鎌倉幕府の北条氏を滅亡に追いやった張本人。足利尊氏は建武の新政に不満を持って離反(大勢が不満に思っていた。だから従う人も大勢いた)して、後醍醐天皇を奈良の吉野に追い出しちゃった。この時、尊氏は別にもう一人、天皇を立てちゃった。これが北の朝廷。

 南と北で2つの朝廷が睨みあっていた南北朝の時期をはらむ時代。それが室町時代です。今から900年か800年前の出来事なんだけど滅茶苦茶な時代だったってことは分かるでしょ。だから時代の説明なんかすっ飛ばしましょうね。 

  

天龍寺
法堂の昔の雲龍図が時々、展示される。

 そして。あれ、夢窓疎石は?ってなる。教科書レベルではほとんど無名に近いお方。だけど歴史的にこの人がなぜ重要だったのかっていうと、夢窓疎石は後醍醐天皇にとっても敵の足利尊氏にとっても“相談役”だったから。(けして黒幕ではないよ!)

 敵味方どちらからも尊敬されるという荒業をやってのけてしまった人「夢窓疎石」。今でも稀にいるよね。こういう人は。「なんや、みーんな困りよるとわしのとこ来んねん。ほんまに解決する気あんのかいな」こうやって困ってる人みんなを笑って受け入れてくれる人。きちんと道筋を示してくれる人。こういう人は本当に貴重だ。

 まあ、時代背景はこんな感じになるよね。特に足利尊氏の弟直義ただよしと疎石のやり取りは「夢中問答集」といって今日でも読まれる有名な禅宗の問答集になっています。僕も読んだけど2%ぐらしか理解できなかった。

  

天龍寺
瓦に寺名があるのはお約束。

   

3. 天龍寺 のお庭はなぜすごい?

 

天龍寺
正直、緑がほしい。でもこの時期は人が少ない。

 実際の観光って、そんなに詳しくない状態で観ることになるのよね。天龍寺の場合はせっかく来たけど本堂だけじゃなく庭だったり、周辺の嵐山だったりと旅って思ってるより意外と情報量が多い。だから「どこそこ観たら十分だよ!見逃しなし!」ってきちんと伝えたい。

    

天龍寺

 さて、天龍寺は法堂の八方睨みの龍と夢窓疎石が残した曹源池庭園が最大の見所になる。でも法堂は土曜日・日曜日・祝日のみの公開だからやっぱり普段の目玉は庭園かな。特に大方丈から鯉魚石(ちゃんと鯉もいます)を正面中央にした庭園の風景はなるべくゆっくり観てほしい。ここからの風景こそが夢窓疎石の顕した禅の世界観の核となる場所だから。実際、天龍寺の修行僧もこのポイントを正面にして毎夜、座禅を組んでいる。せっかく禅宗のお寺に来たんだから、座禅気分を味わっていいかもね。

  

天龍寺
警備ご苦労様です!

 この夢窓疎石が作庭した「曹源池庭園」は初めて禅の世界観を表現したお庭。つまりはすべての「禅庭」の始まり。後からメジャーになっていく枯山水様式の基礎となる石組みも疎石の作庭にすでに含まれていた。だから、もし疎石がいなければ今日のいわゆる「日本庭園」なんてなかったかも知れない。もしこの人が歴史に登場していなければ日本文化として誇れるような「Japanese Garden」が存在しなかった可能性が十分にあるワケなんだよね。

  

天龍寺
本当に天龍寺の庭は花が多い。

 こういう文化的な影響と優れた景観デザインは天龍寺の世界遺産登録基準にもしっかり合致する。これから天龍寺に行く人も旅程後半に予定を入れている人も、これだけは分かっておいてほしい。 実際に今、目にしているのは

すべての日本庭園の礎だってことを。

 ネットや雑誌では「一番の見所!」とかやっているワケなんだけど、綺麗だからおススメ!有名だから行きなさい!っていうんじゃなくて、それ以上にあなたは価値のあるものを見れてるんだよ。ってことに気付けたら、旅はもっと充実するよね。

  

天龍寺
ボケの花。ちなみに小ボケもある。

 最期に疎石がすごいのは天龍寺だけではなく苔寺で有名な「西芳寺」やその他のお寺にも多くの名園を残している事。宗教家としてだけでなく文化的にもいかに優れた人物だったのか。そんな疎石の坐像が御本尊「釈迦如来坐像」の横にひっそりとあることはあまり知られていない。

  

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住所京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
時間8時30分~17時 [受付終了16時50分](庭園受付・北門受付) 
料金庭園(曹源池・百花苑)
・高校生以上:500円
・小中学生 :300円
・未就学児 :無料
※特別公開の諸堂などの料金は公式HPを確認下さい。
アクセス・電車でのお越しの方
京福電鉄嵐山線「嵐山」駅下車前
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅下車徒歩13分
阪急電車「嵐山」駅下車徒歩15分

・バスでのお越しの方
市バス11、28、93番で「嵐山天龍寺前」下車前
京都バス61、72、83番で「京福嵐山駅前」下車前
 
HPhttps://www.tenryuji.com/

  

Un…finished Kyoto